22年12月18日 10:51 am |
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知らなくてもまったく問題無し
大工や工芸品を作る人、料理人やある分野に特化した専門職の人など、いわゆる職人は長い経験や知識の中で、それぞれにこだわりをもって仕事に臨む人が多いと思います。もちろん、どのような職業であっても、働く人は自分なりのこだわりがあるかもしれません。自転車屋(筆者含む)にもそれぞれにこだわりがあり、修理の方法や作業の内容などは千差万別です。
タイヤを装着する際、メーカー表示をバルブの位置に合わせるのがこだわり
そんな中で、修理内容と言うよりもそれに関わる作業内容の小さなこだわりを紹介します。
正直なところ、自転車の機能や修理の仕上がりにはまったく関係が無く、利用者にとっては知らなくても全く問題が無い情報です。あくまで筆者の周辺での話なので「そんなことはない」と言う人がいることも承知の上です。
まず、意外と知られていないかもしれませんが、自転車のタイヤは進行(回転)方向が決まっています。
タイヤの地面に接する部分には厚みのあるトレッドというゴムがコーティングされており、地面を掴む「グリップ力」を調整するための溝(=トレッドパターン)が刻まれています。そして多くのメーカーでは、タイヤの進行方向に対して右側に自社の社名やロゴを記しています。
その表示が「空気を入れるバルブの位置になるように調整する」というのが、どうでもよいこだわりです。「タイヤのサイズ表記をバルブの位置にする」という人もいるかもしれません。
タイヤは丸いものなので、進行方向さえ合っていればどの位置で車輪に取り付けようが違いはありません。まさに自分で勝手に決めたこだわりと言えます。
自転車のタイヤには進行(回転)方向がある
さらにどうでもよい、自転車の修理などに関わらない人は一生知る事がなく、むしろ知らなくても問題無いこだわりです。
自転車の車輪は、中心の円筒状の「ハブ」と呼ばれる部品、「リム」という外側の輪、そしてそれらを繋ぐ「スポーク」という細い金属の棒と「ニップル」という小さなナットで構成されています。これらの部品を組み上げてひとつの車輪を作るのですが、その時に小さなこだわりがあります。
車輪の心臓部とも言える「ハブ」にも、メーカーの社名やロゴが記されていますが、これが自転車に乗った際に、逆さにならないように向きを合わせ、さらに「バルブ穴からのぞいたときに見えるようにする」というこだわりです。
「ハブ」も正円で回転する部品なので、ロゴの位置が車輪のどこにあってもまったく問題ありません。車輪を組み上げる際にバルブ穴とロゴの位置を合わせるのは微妙に難しいので、自ら難易度を上げていると言えるかもしれません。
ほかにも、利用者には気づかないところに細かいこだわりを持っている自転車屋はたくさんいます。自転車の機能や安全性にはまったく関係が無く、「だからどうした」というものですが、もしそれに気付いた際は「こだわって仕事しているんだな」と温かい目で見てあげてください。
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