多くのビルダーさんや、トップ選手達のハナシを聞けば聞くほど、自転車はしなって(ウィップ)で進むものらしい。
ただその”ばね感”は、フレームのジオメトリーや材料に、そしてエンジン(脚力や脚質)によって感じ方や求める性能が違う。
一方、試乗会に来てくれる一般ユーザー多くは、単純にカカリの良いバイクを好む傾向がある。
カカリの良いバイクは、身体の柔軟性に富んだ伸び盛りの若者には良いかもしれないが、健康目的とか楽しみで乗る中高年には過剛性だ。
あのコンタドールでさえ、とあるシーズンは某社のトップグレードは彼の体重と乗り方では過剛性すぎたので、セカンドグレードのフレームを使用したらしい。
試乗会では、走行距離が圧倒的に少ないのでどうしてもカカリの良いバイクが良いバイクだと錯覚してしまう。
しかし、それを100kmも乗ったら、翌日に(あるいは翌々日)腰痛、肩こり、首痛がでて、しばらくはサイクリングはいいや….てなことになりかねない。
その点スチール系(クロモリ)ロードは、一般的なアルミや高剛性のCFRPフレームに対して優位性がある。
体へのダメージが少なく、中高年でも毎日乗れる可能性が高い。そんなメッセージをお客様に伝えると納得して制約につながることが多い。
スチールバイクの進化してきた歴史は長い。未だに20年以上前の知識でスチールバイクを語るのは説得力に乏しい。チューブセットですら、単にクロモリチューブでなくて、様々なものが混ざった合金だ。
・ニバクロム
・ニオビウム
・オムニクロム
と進化してきている。
同じジオメトリーでつくっても フレーム重量に300~500gの差がでるのだ。
にもかかわらず、単純に重量がスチール>アルミ>カーボンなんて説明しているショップが多いのは残念で仕方がない。
でも、最近は声高に重量の事を話題にしなくなったような気がする。それは多分DISCが一般化してきたからだろう。
よく、DISC化しないのか?との問い合わせがある。実はスチールらしいウイップ感を出そうと思うと意外と設計が難しいようだ。
剛性をあげてしまうと乗り味が固くなる。それをごまかす?為にタイヤを太くする?でも重量が重くなる。だから、なおさら最近重量表記しないDISCバイクが多いのかも
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